大滝しおんの晴筆雨筆

大滝しおんの公式ブログです。本人が運営しています。晴筆雨筆とありますが毎日は無理なので、まったりと記事を書いていきます。(注意:このブログではGoogleから広告が自動で挿入されます。)

Geminiにも認識されている『紫雲女子大学消費者センターの相談記録 初回500円の甘い罠』

私は、小説執筆で、GeminiをはじめとしたAIも活用しています。
ふと思い立って、消費者トラブルについての小説は、私の小説以外にどのようなものがあるか質問してみました。
その結果……。

 

 

自分の小説がいきなり紹介されていてびっくり!
さらに細かく質問してみると……。

 

 

というわけで、消費者トラブルについて分かりやすく学べる小説は、『紫雲女子大学消費者センターの相談記録』シリーズが唯一無二のようです!


ライトノベル小説「紫雲女子大学消費者センターの相談記録 初回500円の甘い罠(通称:シジョセン)」は、かわいくて賢く、正義感の溢れる女子大生たちが相談者の依頼を受けて消費者問題など様々な事件を解決していくリーガルコメディ。
ミステリー小説、恋愛小説、ラブコメ小説、アクション小説、リーガルサスペンスの要素も詰まっています。

読書が好きなら誰でもお読みいただけますが、特に次のような方におススメです。

  • 法学部や家政学部の学生
  • 消費者問題に興味のある学生
  • 消費生活センターなどで働きたい方
  • 消費生活相談員資格試験、消費生活アドバイザー試験、消費生活コンサルタントなどの試験合格を目指す受験生
  • 司法試験、司法書士試験、行政書士試験等士業の国家資格試験合格を目指す受験生

読み流すだけで法学部で消費者法の講義を受けたのと同等以上の知識も身につきます。
楽しく読めて法律知識も身につくので「一石二鳥」のライトノベルです。
ライトノベルを読む時間が法律の勉強にもなるってタイパ最強だと思いませんか?
ぜひ、お楽しみください。


最後に著者によるあらすじを載せておきます。

秋田県から上京した「七緒実乃里」は、紫雲女子大学法学部法律学科の1年生。

ずる賢い人から騙されないように法律知識を身につけようとして法学部を選んだのだが、入学早々、悪質な消費者トラブルの被害者になってしまう。

実乃里は、救いを求めて「紫雲女子大学消費者センター(シジョセン)」に相談する。

そこには、

  • 司法試験予備試験に合格した俊才の現役法学部生「神前愛佳」
  • 桁違いの財力を持ちお紅茶で優しく相談者を癒やすお嬢様女子大生「芽森琴音」
  • 女子大空手部の大会で優勝した空手女子の「白砂菜月」
  • 予備試験組でありながらやる気がない新米弁護士の顧問「村正悠也」
    がいた。

消費者トラブル解決を機に実乃里も彼女たちと一緒に「シジョセン」の活動に加わるが、様々な難事件が待ち構えていて……。


出版社のサイトではスピンオフ小説をお読みいただけます。

bunkyosha.com

bunkyosha.com

著者大滝しおんによる詳細な解説は公式ブログでお読みいただけます。

ootakishion.com

ぜひ、お楽しみください!

 

大滝しおんの新作執筆開始!

現役士業のライトノベル作家である大滝しおんの現在の活動についてまとめておきます。

 

私、大滝しおんは、新たな小説の執筆を開始します!

 

紫雲女子大学消費者センターの相談記録の続編を無事に書き終えましたので、新しい物語に挑戦します!

 

「紫雲女子大学消費者センターの相談記録 初回500円の甘い罠(通称:シジョセン)」は、女子大の消費生活相談員が悪徳商法や消費者トラブルの被害者を救うという物語でした。

 

新たな小説では、『悪徳商法や架空請求詐欺を仕掛ける側』からの物語を書いていきます。

 

この物語は、消費者トラブルに限定せず、会社を舞台にしたトラブルも扱います。

民法や会社法のほか、より広い範囲の法律を扱い、さらに、法律の抜け穴も知っていただける内容にしようと考えています。

 

もちろん、法律の知識を学べる物語でエンターテインメントも妥協しない内容です。

 

短期間でダイレクトに読者の皆様にお届けできるよう、電子書籍のみで出版します。

 

『リーガル・シャドウ』という仮タイトルを設定しました。

 

物語のあらすじは、まだ、極秘です。

このブログで少しずつ紹介していきたいと思います。

 

紫雲女子大学消費者センターの相談記録 初回500円の甘い罠(通称:シジョセン)が書籍化!


2025年5月15日(木)に文響社から「紫雲女子大学消費者センターの相談記録 初回500円の甘い罠(通称:シジョセン)」が出版されました。

 

シジョセンの詳細は下記のページにまとめています。

ootakishion.com

 

紫雲女子大学消費者センターの相談記録の続編執筆完了!

 

「紫雲女子大学消費者センターの相談記録 初回500円の甘い罠(通称:シジョセン)」の続編の執筆が完了しました!

 

「紫雲女子大学消費者センターの相談記録」第2巻の仮タイトルは、『コンフィデンス・ガール『テミス』の挑戦状』です。

 

7月中旬から9月にかけての物語で大学も休みになるため、実乃里たちは浴衣姿で夏祭りに参加したり、シジョセンメンバー全員で愛佳のふるさとである新潟県に合宿に赴いたりします。

もちろん、そんな中でも、訪問販売、訪問購入、悪徳リフォーム詐欺、オンラインゲーム絡みの消費者トラブルなどが起きます。

そして、9月には大学の後期が始まりますが、そこでタイトルに有る通り、テミスを名乗るコンフィデンス・ガールが挑戦状を突きつけてきて、シジョセンメンバーが翻弄されてしまいます。送り付け商法や未公開株商法などの消費者トラブルが起き、テミスの事件と複雑に絡んできます。

更に、実乃里はストーカー被害に巻き込まれ危機一髪の状況に追い込まれてしまいます。

その他、愛佳の家族が登場したり、琴音の過去が明らかになったり、新たなキャラクターが登場したりと、盛りだくさんの内容になっています。

 

文字数はトータルで255,000文字!

通常の文庫本の2冊分の長さに3つの物語を入れました!

 

第1巻の初回500円の甘い罠よりも、エンターテインメント性の高い物語です!

既に出版社に原稿を送りましたので楽しみに待っていてください。



紫雲女子大学消費者センターの相談記録『第2巻』の初稿執筆完了のご報告

本日、無事に、紫雲女子大学消費者センターの相談記録『第2巻』の原稿を書き終えました!(写真は『第1巻』のものです。この続編です。)

1巻と同様に3章仕立てで、トータルで255,000文字です!

3月半ばから執筆を開始して、9月半ばの執筆完了ということで、執筆期間は半年ですね。

私は作家専業ではなく、執筆できるのは、一日1、2時間程度だけですが、それでも、まあまあ、書けている方でしょうか。

 

『第2巻』の物語は、『第1巻』の続きから始まります。

第1巻は、主人公の七緒実乃里が紫雲女子大学に入学してから、7月の初めまでの物語でした。

第2巻は、7月の後半から9月半ばにかけての物語として執筆しています。

この時期、大学は夏休みですね。なので、実乃里たちには大学から離れて、少しバカンスしてもらいます。

でも、消費者トラブルや様々な事件は起きてしまいます。

9月になると、大学も後期が始まるわけですが、そこでまた大変な事件に巻き込まれてしまいます。

 

この説明だけでは何の話か、分からないと思いますが、『第1巻』と同様に法律の知識を学べる物語でエンターテインメントも妥協しない内容になっています。

皆様にお届けできるのは、まだ先になりますが、ぜひ、楽しみに待っていてください。

 

合意違反の建物建築工事と契約不適合責任(最判平成15年10月10日  集民 第211号13頁)

今日は、「合意違反の建物建築工事と契約不適合責任」の判例です。

Aさんは耐震性の高い鉄骨造の建物を建ててほしいと思い、建設会社に主柱には断面寸法300㎜×300㎜ の太い鉄骨を用いるように求め、建設会社も承諾しました。

ところが、建設会社側は構造計算上安全であるとして、250㎜×250㎜の鉄骨を主柱として用いました。

この場合、Aさんは建設会社に対して、契約不適合責任(瑕疵担保責任)を追及できるでしょうか?

 

まず、契約不適合責任とは、「引き渡された目的物が種類、品質又は数量に関して契約の内容に適合しないものである」場合に、修補、履行の追完、代金の減額を求めることができるというものです(民法562条以下)。

つまり、契約当時に約束した内容よりも劣っていた場合は、相手方に責任を追及できます。

 

この事例では、Aさんが断面寸法300㎜×300㎜ の太い鉄骨を使ってほしいと希望を出して、請負契約を締結している以上、建設会社側はその鉄骨を使う義務があります。

たとえ、構造計算上安全でも勝手に細い鉄骨に変えることはできません。

よって、Aさんは建設会社に対して、契約不適合責任(瑕疵担保責任)を追及できることになります。

 

判例も「主柱につき断面の寸法300㎜×300㎜の鉄骨を使用することが、特に約 定され、これが契約の重要な内容になっていた」と認定して、構造計算上、居住用建物としての安全性に問題のないものであったとしても、当該主柱の工事には、瑕疵(契約不適合)があるとの判断を下しました(最判平成15年10月10日  集民 第211号13頁)。

 

契約時の約束よりもグレードが下がっている場合は、安全かどうかに関わらず、瑕疵(契約不適合)に当たるということを押さえておきましょう。

 

予備校の教材をメルカリに出して違約金を請求された事例(東京地判令和4年2月28日)

今日は予備校の教材をメルカリに出品したら予備校から高額な違約金を請求されてしまった事例です。

Aさんが受講した大学受験の予備校の受講契約には、予備校の教材や情報を予備校の許可なしに第三者や他の受講生に譲渡することを禁止する旨と、これに違反した場合は、受講料の約10倍、または500万円のいずれか高額な方の違約金の支払いを求める旨の条項が設けられていました。

ところがAさんは、その予備校の教材をメルカリに出品しました。これを予備校が把握して、Aさんに対して500万円の違約金の支払いを求めたという事例です。

Aさんは支払いに応じなければならないのでしょうか?

 

予備校の教材や情報には、予備校独自のノウハウもあるので、譲渡禁止条項やその違約金の定めを設けることも有効と解されています。

ただ、500万円という違約金の額が高額すぎることが問題です。

 

このような場合は、まず、消費者契約法に基づくと、違約金の額が無効ではないかと考えます。

消費者契約法9条には、違約金に関する規定として次の2つの条項があります。

 

  • 契約解除に伴う違約金を事業者の平均的損害を限度とする旨の定め
  • 金銭債務の遅延損害金を年利6%を上限とする旨の定め

 

この事例ではいずれも利用できそうもありません。

このような場合に検討されるのが消費者契約法10条の規定です。

 

消費者契約法

(消費者の利益を一方的に害する条項の無効)

第十条 消費者の不作為をもって当該消費者が新たな消費者契約の申込み又はその承諾の意思表示をしたものとみなす条項その他の法令中の公の秩序に関しない規定の適用による場合に比して消費者の権利を制限し又は消費者の義務を加重する消費者契約の条項であって、民法第一条第二項に規定する基本原則に反して消費者の利益を一方的に害するものは、無効とする。

 

民法

(基本原則)

第一条 

2 権利の行使及び義務の履行は、信義に従い誠実に行わなければならない。

 

つまり、消費者の権利を制限し又は消費者の義務を加重する条項で信義誠実の原則に反して消費者の利益を一方的に害するものは無効とする規定です。

 

これらの規定を根拠に裁判所は、500万円の違約金は高額すぎるので、公序良俗に反すると判断しました。

ただ、譲渡禁止条項やその違約金の定めは有効として、違約金の額も100万円の限度で有効と解しました(東京地判令和4年2月28日)。

 

譲渡禁止条項やその違約金の定めに関する消費者トラブルが起きた時は参考にしてください。

 

マンションの売買契約を解除した場合の違約金条項(福岡高判平成20年3月28日)

今日はマンションの売買契約を解除したら高額な違約金を請求されてしまった事例です。

Aさんはマンションの売買契約を締結したあとで家族で話し合ったところ、家族に反対されたために、マンションの売買契約を解除しました。

その結果、宅建業者から売買代金の20%に当たる違約金として約700万円を請求されてしまいました。

この違約金の額は合法なのでしょうか?

 

消費者契約法には次の規定があります。

 

消費者契約法

(消費者が支払う損害賠償の額を予定する条項等の無効等)

第九条 次の各号に掲げる消費者契約の条項は、当該各号に定める部分について、無効とする。

一 当該消費者契約の解除に伴う損害賠償の額を予定し、又は違約金を定める条項であって、これらを合算した額が、当該条項において設定された解除の事由、時期等の区分に応じ、当該消費者契約と同種の消費者契約の解除に伴い当該事業者に生ずべき平均的な損害の額を超えるもの 当該超える部分

 

つまり、契約解除に伴う違約金については、契約解除に伴い事業者が負う平均的な損害額までなら認められるけど、それを超える分は無効だということです。

この事例では、違約金の額が約700万円ですが、売買契約を解除されただけで、それほどの損害が生じるとは考えられません。

そのため、違約金の額が高すぎるのではないかという疑問が生じます。

 

ただ、消費者契約法には次の規定もあります。

 

消費者契約法

(他の法律の適用)

第十一条 

2 消費者契約の申込み又はその承諾の意思表示の取消し及び消費者契約の条項の効力について民法及び商法以外の他の法律に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。

 

つまり、他の法律に別段の定めがある場合は、その法律の規定に従いますよということです。

そして、マンションの売買契約は、宅地建物取引業法により別段の定めが設けられています。

次のとおりです。

 

宅地建物取引業法

(損害賠償額の予定等の制限)

第三十八条 宅地建物取引業者がみずから売主となる宅地又は建物の売買契約において、当事者の債務の不履行を理由とする契約の解除に伴う損害賠償の額を予定し、又は違約金を定めるときは、これらを合算した額が代金の額の十分の二をこえることとなる定めをしてはならない。

2 前項の規定に反する特約は、代金の額の十分の二をこえる部分について、無効とする。

 

つまり、不動産の売買契約が一方的に解除された場合に違約金の支払いを求める旨の条項を設けることは有効ですし、売買代金の20%を上限に違約金を請求して良いことになっています。

よって、宅建業者は売買代金の20%に当たる違約金を請求してよいということです。

 

もっとも、この事例では、Aさんが売買契約を解除した後で、1ヶ月も経過せずに他の買い手が見つかりました。

そのため、宅建業者に約700万円もの損害が生じたとは考えられません。

そこで、裁判所は、約700万円という額は高額すぎるので信義則により一部無効とすべきで、手付金200万円に加えた200万円の限度でその効力を認めるべきとしました(福岡高判平成20年3月28日)。

 

マンションの売買契約解除に伴う違約金の支払いについての消費者トラブルの際は参考にしてください。

宅配便約款の責任限度額(30万円)の規定が荷受人にも適用される事例(最判平成10年4月30日 集民 第188号385頁)

今日は、宅配便約款に関する消費者法の判例です。民法判例百選にも載っているので知っている方も多いと思います。

宅配便約款では、荷物の紛失や毀損の責任限度額が30万円に設定されています。この知識を前提に判例の事例を確認しましょう。

A会社は貴金属の加工、販売を営む会社です。A会社は顧客から預かった約400万円のダイヤモンドの加工をB工房に依頼しました。

B工房は加工を終えた商品をA会社に送付しました。その際、一般の宅配便を利用することについて、A会社も容認していました。

そのため、B工房は、品名欄と価格欄を空欄にしたうえで、宅配便で発送しました。

ところが、荷物が途中で紛失してしまったために、A会社は、顧客に賠償したうえで、宅配業者に対して約400万円の賠償を求めました。

A会社の請求は認められるのでしょうか?

 

運送契約は、運送人(宅配業者)と荷送人(B工房)の間で結ばれたもので、荷受人(A会社)や荷物所有者(A会社の顧客)は契約外の第三者になります。

そのため、宅配便約款の30万円という責任限度額の規定も、荷受人(A会社)や荷物所有者(A会社の顧客)には適用されないのではないかという疑問が生じます。

 

ただ、最高裁は、「荷受人も、少なくとも宅配便によって荷物が運送されることを容認していたなどの事情が存するときは、信義則上、責任限度額を超えて運送人に対して損害の賠償を求めることは許されない」と判断しました(最判平成10年4月30日 集民 第188号385頁)。

 

今ではオンライン取引が活発になり、宅配便を使う機会が増えていると思いますが、こうしたトラブルに巻き込まれた際は参考にしてください。