大滝しおんの晴筆雨筆

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士業の本は同業者にしか読まれないという課題をクリアするための出版戦略とは? 専門知識とエンタメの融合

弁護士、行政書士、司法書士、社会保険労務士、弁理士、税理士、公認会計士、中小企業診断士、土地家屋調査士、海事代理士などの士業の方には、ブランディング出版戦略が有効とされていますが、読者層は同業者だけで一般の方に読まれにくい問題があります。

一般の方に読んでもらうためには、小説の形で出版するのが有効です。その戦略について解説します。

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士業にとってブランディング出版戦略は有効

 

士業、つまり、弁護士、行政書士、司法書士、社会保険労務士、弁理士、税理士、公認会計士、中小企業診断士、土地家屋調査士、海事代理士などで開業している方にとって、本を書く、本を出版することによる「ブランディング出版戦略」は同業者との差別化を図るために有効です。

本を出せば、契約が取りやすくなったり、問い合わせや相談、依頼が増えます。

 

 

士業の理想的なブランディング出版戦略とは?

 

士業の方が、本を出す時に思い描く戦略は次のようなものでしょう。

 

  1. 本を出す
  2. たくさんの人に読んでもらう(知名度も高まる)
  3. 読者が相談してくる
  4. 仕事につながる

 

つまり、たくさんの人に本を読んでもらって、その読者の中から、依頼や相談してくる人が殺到すれば、大成功と考えていると思います。

しかし、士業のすべての業務でこうした「理想的なブランディング出版戦略」が機能するわけではありません。

 

 

本を出しただけでは意味がない?

 

士業の本は、多くの場合、法律の専門書、実務書、実用書といった類のものなので、ビジネス書、あるいは法律書のコーナーに並べられることがほとんどです。

当然ながら、こうした本を手に取る読者層も限られてしまいます。

専門性が高い本になると、一般的な書店では並ばず、大型書店や専門書を扱う書店にしか並ばないこともあります。ネットでしか買えない本もあります。

そのため、士業の方が、本を出したことをアピールするには、その本を持って営業に回らなければならないのです。

実物をそのまま渡すか、本の概要を書いたチラシを渡すという感じになるでしょう。

 

 

士業の本は同業者にしか読まれない?

 

本として出版すれば、いろいろな人が読む可能性があります。

ただ、士業の本は読者層が限定されるのが一般的です。

例えば、弁護士が書いた本は、弁護士の他、行政書士、司法書士といった隣接法律専門職の方が読者層になります。

開業している方はもちろんですが、開業を検討している受験生や合格者、補助者といった人たちも含むでしょう。

出版社もその母数から売れる数を予測して、出版計画を立てていると考えられます。

こうした層が主な読者層ですから、部数は限られます。ただ、高単価でも売れるから、ビジネスとして成り立つというのが出版社の考え方のようです。

 

 

士業の本は一般向けのブランディングにはならない?

 

士業の本は読者層が同業者やその周辺の方に限定されてしまうという性質からして、一般向けのブランディングにはなりにくいのが実情です。

 

例えば、離婚問題を専門とする弁護士が離婚に関する専門書を書いたとします。

弁護士としては、その専門書を一般の方に広く読んでいただき、離婚問題を抱えている一般の方からの相談につなげたいと考えているかもしれません。

ところが、読者層が同業者やその周辺の方に限られるとなると、その目論見通りにいかないことになるわけです。

 

離婚問題以外では、相続、遺言、債務整理、交通事故、消費者トラブル等の一般的な民事法務の本も同様の問題を抱えていると考えられます。

 

 

士業のブランディング出版戦略が有効に機能する分野

 

士業の方がイメージする「理想的なブランディング出版戦略」が有効に機能する分野は限られています。

具体的には、ビジネスや経営に関わるジャンルです。

例えば、M&Aの業務であれば、会社経営者や企業の法務担当者といった人たちが直接のクライアントになります。

こうした人達は、士業が書いたM&Aに関する専門の本を読んでいる可能性があるので、弁護士等がM&Aの本を出していれば、本を読んだことがきっかけで相談や依頼するという流れになることも多いでしょう。

 

M&A以外では、会社設立、経営コンサルタント、事業承継、経営・管理ビザ(在留資格「経営・管理」)の取得といったような主に企業法務の分野で「理想的なブランディング出版戦略」が有効に機能すると考えられます。

 

 

一般向けのブランディングを行うには?

 

士業の方が一般の方からの依頼や相談を受けるために「理想的なブランディング出版戦略」を使いたい場合は、工夫が必要です。

 

具体的には、本の内容を一般大衆向けにすることです。

 

専門的な内容を扱いつつ、専門知識がない方でも読めるように平易な文章で書くことを心がけるということは、誰でも思いつくでしょう。

でも、それだけでは工夫したとは言えません。

そもそも、その程度の内容であれば、ホームページのコラム等で書いているのではないでしょうか。

インターネット上で無料で読むことができるのに、わざわざ一般の方向けの実用書を読む人は限られていると思います。

それに、他に同じような本が既にあることも多いので、出版社に企画を持ち込んでも受け付けてもらえないでしょう。

 

それでも、一般大衆向けの本を出したい。

そのようにお考えの方に、私から提案したいのが、「小説」の形で出すことです。

 

 

士業のブランディング出版戦略で有効な「小説」とは?

 

士業の小説というと、弁護士や検事が活躍する「リーガルサスペンス」をイメージするかもしれません。

例えば、アメリカでは、「法律事務所」や「陪審評決」のジョン・グリシャム、「裁かれる判事」や「重要証人」のスティーヴ・マルティニといった骨太のリーガルサスペンスがたくさんあります。作者はいずれも弁護士です。

でも、日本では、リーガルサスペンスを書いている人が弁護士などの士業であることは少ないのが実情です。

それにリーガルサスペンスは、純粋なエンタメであって、読んだ人が作者に相談しようという流れになることは想定されていません。

 

小説を士業のブランディング出版戦略で使うには、専門的な内容をテーマにしなければなりません。

例えば、離婚なら離婚でよくある事例をテーマに据えます。

その一方で、小説としてのエンタメ面も盛り込むことが大切です。これがなければ、会話文形式で専門知識を紹介するだけの工夫のない原稿になってしまいます。

 

しっかりと専門知識を提供しつつ、エンターテインメントも妥協しない小説。

これが、士業のブランディング出版戦略で有効な「小説」なのです。

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士業のブランディング出版戦略で「小説」を書くために必要な力とは?

 

専門知識とエンタメのどちらも妥協しない。

こうした職人的な匙加減の小説を書くためには、

  • 専門知識
  • 小説家としての力量

この2つの力が必要になります。

 

ブランディング出版戦略を考えている方なら、専門知識は問題ないでしょう。

あとは、小説家としての力量を磨くだけですが、小説など書けないという方がほとんどではないでしょうか。

出版社から出せるレベルの小説を書くためには、文学賞の新人賞などで最終選考に残れる以上の実力が必要です。

何年もの修業が必要で、一朝一夕で身に付けられるものではありません。

 

自分で小説を書く力がない……。

そんな時は、プロの小説家に執筆してもらうことも検討してはどうでしょうか?

プロの小説家であり、かつ、現職の士業の作家であれば、専門知識とエンタメのどちらも妥協しない絶妙な匙加減の小説を書くことができます。

こうしたプロの小説家に「著者」として執筆してもらい、あなたが「監修」するわけです。

こうすれば、あなたのブランディングに役立つ本を広く世に出すことができます。

 

 

まとめ

 

弁護士、行政書士、司法書士、社会保険労務士、弁理士、税理士、公認会計士、中小企業診断士、土地家屋調査士、海事代理士などの士業の方には、ブランディング出版戦略は有効です。

ただし、有効に機能する分野はビジネスや経営に関わる分野に限られています。

相続、遺言、離婚、債務整理、交通事故、消費者トラブル等の一般的な民事法務について、一般の方から相談を受けたい場合は効果は薄いこともあります。

このような場合は、専門書や実用書の形ではなく、「小説」の形での出版を検討してみてはどうでしょうか。

専門知識とエンタメのどちらも妥協しない絶妙な匙加減の小説を書きたいなら、プロの小説家に執筆を依頼することもご検討ください。

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