大滝しおんの晴筆雨筆

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電子書籍の自己出版は士業のブランディング戦略として有効か? 成功のために押さえたい4つのポイント

弁護士、行政書士、司法書士、社会保険労務士、弁理士、税理士、公認会計士、中小企業診断士、土地家屋調査士、海事代理士などの士業にとって、電子書籍の自己出版はブランディングのための有力な方法の一つです。出版社に企画を持ち込まなくても本にすることができるので敷居が低いですが、競争が激しいだけに成功させるためには、いくつかの課題をクリアする必要があります。

電子書籍の自己出版による士業のブランディング戦略の方法について解説します。

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本の出版は士業のブランディングに有効

 

弁護士、行政書士、司法書士、社会保険労務士、弁理士、税理士、公認会計士、中小企業診断士、土地家屋調査士、海事代理士などの士業のブランディングのためには本を出版することが有効です。

 

特定の専門分野を確立し、その分野についての本を書くことで、その分野の専門家であることを印象付けることができます。

契約が取りやすくなったり、問い合わせや紹介が増えるといった様々なメリットを享受することができます。

それにより、同業者との差別化を図ることも可能になります。

 

 

本の出版はハードルが高い

 

本を書くこと、本を出版することは、非常にハードルが高いのも事実です。

ハードルが高いからこそ、本を出せた士業の方は同業者との差別化を図ることが可能なのです。

 

本を出すに当たっての大きなハードルは2つです。

 

  • 本にできるだけの文字数の原稿を書く
  • 出版社に企画を持ち込んで本にしてもらう

 

一つ一つ確認しましょう。

 

 

本にできるだけの文字数の原稿を書く

 

本を書くためにはまとまった文字数の原稿が必要です。

最低でも数万文字以上の原稿が必要になります。

これだけの文字数の原稿を書くことは、普段、文章を書き慣れていない方にとっては至難の業です。

士業の方は、普段から様々な文書を書き慣れていると思います。

しかし、その多くは、専門的な文書やビジネス文書等であって、本の原稿になるような文章ではないのではないでしょうか。

それに士業の仕事で様々な文書を作成する合間に、本にするための原稿を書くことは容易なことではなく、挫折してしまう方も多いと思います。

 

 

出版社に企画を持ち込んで本にしてもらう

 

原稿を書き上げたとしても、次に出版社に企画を持ち込んで本にしてもらうという大きな関門が待ち構えています。

出版社はビジネスとして本を出版しているので、売れる本だとの確信を得られなければ、本を出すことはありません。

プロの作家でさえ、原稿を出しても本にしてもらえるかどうかわからないのです。何ヶ月もかけて書いた原稿がボツになることも少なくありません。

ましてや、出版の実績がなければ、出版に至ることはなかなかありません。

 

 

電子書籍の自己出版なら出版のハードルが下がる

 

今では、電子書籍の形で本を出すことも可能になっています。

例えば、

  • AmazonのKindle ダイレクト・パブリッシング
  • 楽天Koboライティングライフ
  • Google Play ブックス

等では、自分で原稿を書いて自己出版することが可能です。

こうした電子書籍は出版のハードルを大きく下げてくれました。

その大きな理由は次の2つです。

 

  • 出版に必要な費用がかからない
  • 出版社に企画が採用されなくても出せる

 

一つ一つ確認しましょう。

 

 

出版に必要な費用がかからない

 

Kindleのセルフ出版等では、出版に必要な費用がかかりません。

売れた時に、売上の数%をAmazonに支払えばよいだけで、原稿をアップロードする段階で料金がかかることはありません。

出版、特に自費出版の場合は、数百万円といった金額がかかることも珍しくありませんが、Kindleのセルフ出版等ならこうした費用は一切かかりません。

 

 

出版社に企画が採用されなくても出せる

 

Kindleのセルフ出版等では、Amazonのサイトに直接原稿をアップロードするだけでよく、その内容について、売れるものであるかどうかといった審査が行われるわけではありません。

もちろん、プラットフォーム側で簡単な審査は行われますが、その内容は、他の著作物の剽窃ではないかといった著作権の面での審査だけです。

 

 

電子書籍の自己出版でもハードルが高い

 

電子書籍の自己出版を利用すれば、「出版社に企画を持ち込んで本にしてもらう」という最大の関門を通過せずに、本を出すことが可能です。

出版のハードルは随分下がるわけですが、ハードルが皆無となるわけではありませんし、新たな難問も立ちふさがります。

電子書籍の自己出版の難点は次の2つです。

 

  • 本にできるだけの文字数の原稿を書く
  • 読まれない。評価されない。

 

一つ一つ確認しましょう。

 

 

本にできるだけの文字数の原稿を書く

 

これは既に述べたとおりです。電子書籍と言えども最低でも数万文字以上の原稿が必要です。

ホームページに掲載する1ページのコラムの文字数は5000文字前後であることが多いですが、この程度の文章量では、電子書籍にならないことは言うまでもありません。

 

 

読まれない。評価されない。

 

電子書籍の自己出版を利用して出版する人が増えています。

そのため、自己出版しても、多数の電子書籍の中に埋もれてしまい、自分が書いた電子書籍が読まれないという事態も生じます。

そもそも電子書籍として魅力がなければ読まれることはありません。

また、読まれたとしても、内容がスカスカであれば、低評価を付けられてしまい、ますます読まれにくくなるという悪循環に陥ってしまいます。

ブランディングどころか、マイナスになるリスクもあるのです。

 

 

電子書籍の自己出版を成功させるためには?

 

士業の方が、電子書籍の自己出版で自分の本を出しても、それだけでは、士業のブランディングにはなりません。

電子書籍の自己出版によるブランディングを成功させるためには、次の4つをクリアする必要があります。

 

  • プロ並みの原稿を書く
  • 他の電子書籍との差別化を図る
  • 電子書籍はシリーズ化して書き続ける
  • 電子書籍を宣伝する

 

一つ一つ解説します。

 

 

プロ並みの原稿を書く

 

電子書籍の自己出版と言えども、スカスカの内容では読者をがっかりさせてしまいますし、低評価を付けられてしまいます。

ましてや、士業としてある分野の専門的な知見をまとめて原稿にするのであれば、それなりの内容であることが求められますし、読者の期待も高いものです。

士業として恥ずかしくない内容の原稿を書き上げることが大切です。

事務所の玄関先の看板の横にその原稿を張り出しても恥ずかしくないと言えるレベルの原稿を完成させましょう。

 

 

他の電子書籍との差別化を図る

 

電子書籍の自己出版は、原稿さえ用意できれば、誰でも気軽に利用できます。それだけに競争が激しくなっています。

士業の方でも電子書籍の自己出版に注目している方は多く、似たような電子書籍が増えています。

そうした中で、漫然と電子書籍を1冊アップロードしても、読まれることは殆どありません。

多数の電子書籍がある中で読まれるためには、差別化が重要になります。

差別化には様々な方法がありますが、実用書の文体で書くのではなく、「小説」として書くのも一つの方法です。

 

 

電子書籍はシリーズ化して書き続ける

 

電子書籍の自己出版は、1冊書くだけではほとんど意味がありません。

1冊で終わりではなく、数冊書いてシリーズ化することを試みてください。

多数の電子書籍がある中で「たった1冊しか出していない士業の人」と「100冊出している士業の人」とでは、どちらの方が検索されやすいか、また、注目されやすいかは明白だと思います。

実際に「100冊出している士業の人」の実例はこちらの記事でお読みください。

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電子書籍を宣伝する

 

電子書籍の自己出版は、出版社に宣伝してもらうことができません。

宣伝は自分自身で行わなければならないのです。

電子書籍の宣伝方法は色々ありますが、一般的な方法は事務所のホームページに電子書籍のためのLPページを作る方法が挙げられるでしょう。

また、電子書籍とは別に簡単なコラムを書いて、電子書籍に誘導することも考えられます。

 

 

電子書籍の自己出版を成功させるならプロのライターに依頼しよう

 

電子書籍の自己出版は、出版社から本を出すよりも敷居が低いのは事実ですが、読まれる、評価される電子書籍にするためには新たな難問がいくつも出てくることをご理解いただけましたでしょうか?

こうした難問をクリアして電子書籍の自己出版によるブランディングを成功させるためには、独力では難しいのが実情です。

 

  • プロ並みの原稿を書く
  • 他の電子書籍との差別化を図る
  • 電子書籍はシリーズ化して書き続ける

 

こうした課題をクリアするには、プロの法律専門ライターの力を借りるべきでしょう。

また、電子書籍を宣伝することも、SEO対策など、様々な施策を講じる必要があり、この点もプロの力が必要です。

 

 

情報商材には絶対に手を出すべきではない

 

電子書籍の自己出版に似たものとして、「情報商材」というものがあります。

士業の方には、この情報商材が、本の出版に代わる士業のブランディング手段になるのではないかと思っている方もいるかもしれません。

消費者トラブル事例を目にしている方はご存知だと思いますが、情報商材は数多の消費者トラブルの原因になっており、情報商材の販売業者が詐欺罪で有罪となったり、損害賠償責任が認められるなど、刑事責任、民事責任を追及される事例が跡を絶ちません。

士業の方が情報商材の販売手法をブランディングに使うことは、悪評を招き、マイナスとなるリスクが大きいことを肝に銘じるべきでしょう。

 

なお、私は法律専門ライターとして様々な原稿の依頼を受けていますが、情報商材の原稿を書いてほしいという依頼は一切受け付けていないので、その点は明記しておきます。

 

 

まとめ

 

電子書籍の自己出版は、士業の方のブランディングの有力な手段の一つです。

ただ、誰でも気軽に利用でき、競争が激しいだけに成功させるためには、

  • プロ並みの原稿を書く
  • 他の電子書籍との差別化を図る
  • 電子書籍はシリーズ化して書き続ける
  • 電子書籍を宣伝する

という4つの課題をクリアする必要があります。

そのためには、独力では難しいのでプロの法律専門ライターの力を借りることも検討してください。

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