この記事は日々、紫雲女子大学消費者センター(シジョセン)で行われているミーティングや相談内容について、著者大滝しおんが会話劇の形で書き留めたものです。
世間では「コメは買ったことがない」話が話題になっていますが、お米価格の高騰に伴いコメ通販詐欺も流行っているので注意するようにとの周知がなされました。
登場人物
神前愛佳(部長、消費生活相談員、予備試験合格者、法学部3年)
芽森琴音(カウンセラー、お嬢様、家政学部2年)
白砂菜月(アシスタント、空手女子、体育学部2年)
七緒実乃里(アシスタント、ヒロイン、法学部1年)
村正悠也(顧問弁護士、24歳のイケメン?)
登場人物の詳細はこちらでご確認ください。
村正「コメは買ったことがない。売るほどある。とかまじて空気読めよ!」
シジョセンの部屋にいるときは、ゲームをするか寝ているかでしかない村正先生ですが、その日はなぜか、スマホでニュースをチェックしながら憤慨している様子です。
実乃里「本当にコメ高いですよね。自炊したいのにコメが買えなくて困ってます」
琴音「あら。そうでしたの? それなら、私の家にあるおコメをお分けしますわ」
実乃里「ええっ! 貴重なおコメをいただくわけにはいきませんよ」
村正「俺にもコメくれ!」
菜月「っていうか、村正。お前、コメの炊き方、分かってるのか?」
村正「はあ? コメぐらい炊けるわ。炊飯器に米と水を入れてスイッチ押すだけだろ」
琴音「おコメのブランドによって水加減や炊き方は微妙に違いますのよ」
村正「どの米だろうが、炊き方は同じだろ!」
琴音「おコメを炊くときはですね」
以下、家政学部で栄養学を学んでいる琴音がおコメに関するうんちくを語りましたが、割愛させていただきます。
菜月「うん。分かるな。うちの寿司屋でもおコメのブランドと炊き方にはこだわっているからね」
琴音「そうでしょ。やっぱり、寿司職人さんのお店ではこだわりがありますわよね」
さて、愛佳も部屋にいますが、司法試験の勉強に没頭しているのか、会話に加わりません。
そうと気づいた琴音が、そっと声をかけます。
琴音「愛佳ちゃんは、おコメにお困りではありませんの?」
愛佳「うん? おコメ? ごめん。私もこの話に加わっていいのかしら?」
菜月「あっ、そうか。愛佳の実家は新潟の米どころで農家もやっているんだっけ?」
愛佳「そうなの。だから、私もコメは買ったことがないわ。実家から送ってくるし。でも、売るほどはないわよ」
村正「新潟のおコメとか超高級品じゃねえか! ただで貰えるとか特権階級だな!」
愛佳「はあ? ただで貰ってるんじゃなくて、家族がコメを作っているんですけど! 勘違いしないでくれます?」
実乃里「お米と言えば、早速、国民生活センターからコメ通販詐欺が流行っているという情報が寄せられていますよね。ネットで注文したけど、お米が届かないそうです」
菜月「偽サイト詐欺だな。偽のショッピングサイトでコメ10kg4000円とかで売られているらしい。去年までなら、普通の値段だけど、今はその倍が普通だからな」
実乃里「しかも、割引価格で10kg1000円台と表示されていることがあるそうです。こんなに安かったら怪しすぎますよね」
琴音「それから、サイトの文章がおかしいこともあるそうですわ。日本語として意味不明の文章があるサイトは避けたほうが良いですわね」
愛佳「偽サイト詐欺の商材はブランド品とかだったけど、今は、コメも加わったということだわね。もしも、偽サイトでクレジットカードを使ったら、どうすべきかしら?」
愛佳にそう訊ねられて、勉強した知識を試されているのだと気づく実乃里。
実乃里「はい。まず、クレジットカード会社等に連絡してすぐに支払いの停止を依頼するんですよね。それから、警察や消費生活センターなどに相談すると」
愛佳「そうね。そういうわけで、うちの大学の内外でも、コメ通販詐欺に注意するように周知するわよ」
琴音「それでは、おコメでお困りなのは、実乃里ちゃんだけですわね。私の家のおコメをお裾分けいたしますわ」
実乃里「本当にいいんですか。うれしいです」
村正「俺にもコメをくれ!」
愛佳「あんたは自分の給料で買えばいいでしょ! 弁護士なんだから!」
この会話劇に登場する女子大生たちの活躍は、下記のライトノベル小説「紫雲女子大学消費者センターの相談記録」でお読みいただけます。
ぜひ、ご覧ください。
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