この記事は日々、紫雲女子大学消費者センター(シジョセン)で行われているミーティングや相談内容について、著者大滝しおんが会話劇の形で書き留めたものです。
パソコンがコンピューターウィルスに感染したという偽りの画面を表示させて、修理品名目で金銭を詐取する「サポート詐欺」が流行っています。2025年5月には警察庁がインドの警察と国際共同捜査を行い、インド人の詐欺グループを逮捕しました。海外拠点の詐欺グループの摘発は初めてだったため注目されています。
紫雲女子大学消費者センター(シジョセン)でもこの件についてのミーティングが行われたので書き留めておきます。
登場人物
神前愛佳(部長、消費生活相談員、予備試験合格者、法学部3年)
芽森琴音(カウンセラー、お嬢様、家政学部2年)
白砂菜月(アシスタント、空手女子、体育学部2年)
七緒実乃里(アシスタント、ヒロイン、法学部1年)
村正悠也(顧問弁護士、24歳のイケメン?)
登場人物の詳細はこちらでご確認ください。
愛佳「それじゃあ、ミーティングを始めるわよ」
琴音・菜月・実乃里「よろしくお願いします」
村正「あー。マジで忙しい」
村正先生はシジョセンの部屋にノートパソコンを持ち込んで仕事に打ち込んでいる様子です。
実乃里(村正先生が真面目に仕事しているって珍しい。どうしたんだろう?)
愛佳「今日のミーティングのテーマはサポート詐欺よ」
実乃里「サポート詐欺? どういう詐欺ですか?」
すると、琴音が自分のノートパソコンを開いて実際の画面を見せてくれました。
琴音「パソコンがコンピューターウィルスに感染したという偽りの画面とともに、修理するにはすぐにお問い合わせするように案内を表示させるんですの」
実乃里「えっ、こんな画面が出てきたらびっくりしますよね。私、パソコンに詳しくないから、問い合わせちゃうかも」
菜月「そういう画面は、たいてい、違法な○○○○サイトを見ている奴に表示されるんだよ。正規のサイトならともかく、タダで見ようとしている奴な」
実乃里(えっ、そうなんだ。恥ずかしいこと聞いちゃった)
琴音「でも、実際には、ウィルスに感染したわけではないんですの。ポップアップ広告の手法を使っているだけですわ。こんなのは一旦、ブラウザを閉じるか、再起動すれば消えますのよ」
愛佳「そうと知らない人は、表示された連絡先に問い合わせてしまうのね。そして、修理するにはサポート料金を支払うように案内するのよ」
菜月「その支払い方法が、アップルギフトカードのような電子マネーを購入してコードを知らせろというものらしい」
実乃里「『電子マネーやプリペイドカードの番号送れは詐欺だ』という呼びかけはよく見ますよね。すると、お金の支払わせ方は古典的なんですね」
菜月「そう。だけど、違法な○○○○サイトを見ている奴は、ビビって誰かに相談するとか考えられないんだろうな」
愛佳「そうね。そういう心理状態に付け込んだ詐欺ということだわ」
琴音「最近ではこうしたサポート詐欺を行うグループは海外に拠点をおくケースも多いそうですわ。今回摘発されたグループはインドに拠点をおいていたんですの」
実乃里「国際的な詐欺グループの活動が増えているんですね」
愛佳「うちの大学の内外でも、こういうサポート詐欺に引っかかる人がいるかもしれないし、国際的な詐欺グループの罠にハマってしまう人もいるかもしれないわ。周知するわよ」
琴音「私もSNSで告知しますわ」
ミーティングの終了直後、突然、村正先生が素っ頓狂な声を上げました。
村正「はあ? ふざけるな! ウィルス感染ってなんだよ!」
実乃里「どうしたんですか?」
村正「俺のノートパソコンがウィルスに感染したんだー!」
実乃里「落ち着いてください。それって、サポート詐欺かもしれませんよ」
琴音「私が見て差し上げますわ」
村正のノートパソコンを確認した琴音は軽いため息を漏らしました。
琴音「村正先生。お気の毒ですが、これは本物のウィルスですの。直すには、ノートパソコンを初期化するしかありませんわ」
村正「はあぁぁぁ? 初期化だと! 今日の仕事、全部パァじゃねえか!」
菜月「どうせ大した仕事してないんだろ」
愛佳「そもそも、ウィルスに感染したノートパソコンで弁護士の仕事をやるってセキュリティ意識がなさすぎだわ!」
村正「ちくしょぉぉぉぉぉ!」
実乃里(村正先生、頑張ってたのに可哀想)
この会話劇に登場する女子大生たちの活躍は、下記のライトノベル小説「紫雲女子大学消費者センターの相談記録」でお読みいただけます。
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