大滝しおんの晴筆雨筆

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合意違反の建物建築工事と契約不適合責任(最判平成15年10月10日  集民 第211号13頁)

今日は、「合意違反の建物建築工事と契約不適合責任」の判例です。

Aさんは耐震性の高い鉄骨造の建物を建ててほしいと思い、建設会社に主柱には断面寸法300㎜×300㎜ の太い鉄骨を用いるように求め、建設会社も承諾しました。

ところが、建設会社側は構造計算上安全であるとして、250㎜×250㎜の鉄骨を主柱として用いました。

この場合、Aさんは建設会社に対して、契約不適合責任(瑕疵担保責任)を追及できるでしょうか?

 

まず、契約不適合責任とは、「引き渡された目的物が種類、品質又は数量に関して契約の内容に適合しないものである」場合に、修補、履行の追完、代金の減額を求めることができるというものです(民法562条以下)。

つまり、契約当時に約束した内容よりも劣っていた場合は、相手方に責任を追及できます。

 

この事例では、Aさんが断面寸法300㎜×300㎜ の太い鉄骨を使ってほしいと希望を出して、請負契約を締結している以上、建設会社側はその鉄骨を使う義務があります。

たとえ、構造計算上安全でも勝手に細い鉄骨に変えることはできません。

よって、Aさんは建設会社に対して、契約不適合責任(瑕疵担保責任)を追及できることになります。

 

判例も「主柱につき断面の寸法300㎜×300㎜の鉄骨を使用することが、特に約 定され、これが契約の重要な内容になっていた」と認定して、構造計算上、居住用建物としての安全性に問題のないものであったとしても、当該主柱の工事には、瑕疵(契約不適合)があるとの判断を下しました(最判平成15年10月10日  集民 第211号13頁)。

 

契約時の約束よりもグレードが下がっている場合は、安全かどうかに関わらず、瑕疵(契約不適合)に当たるということを押さえておきましょう。