大滝しおんの晴筆雨筆

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投資詐欺の仮装配当金は損益相殺の対象になるのか?(最判平成20年6月24日 集民 第228号385頁)

今日のテーマは、「投資詐欺の仮装配当金は損益相殺の対象になるのか?」です。

AさんはBから自己を介して米国債を購入すれば高額の配当金を得られると勧められたので、資金を出しました。ところがこれは投資詐欺だったという事例です。

AさんはBに対して投資した額の損害賠償を求めて訴えを提起しました。

ところで、Bは米国債に投資して利益が出たかのように装い、Aさんに対して仮装配当金を配っていました。これによりAさんを信用させていたわけです。

このような場合、Aさんが受け取った仮装配当金は、AさんがBに損害賠償請求する際に損益相殺の対象となるのでしょうか?

 

最高裁は、Aさんが受け取った仮装配当金は損益相殺の対象にならないと判断しています。

 

その理由は次のとおりです。

「反倫理的行為に該当する不法行為の被害者が、これによって損害を被るとともに、当該反倫理的行為に係る給付を受けて利益を得た場合には、同利益については、加害者からの不当利得返還請求が許されないだけでなく、被害者からの不法行為に基づく損害賠償請求において損益相殺ないし損益相殺的な調整の対象として被害者の損害額から控除することも許されない」からです(最判平成20年6月24日 集民 第228号385頁)。

 

つまり、Aさんが受け取った仮装配当金は、不法原因給付に当たるため、Bが返還を求めることができないものになります。そのため、Aさんが損害賠償請求するにあたって、その分を損益相殺する必要はないということです。

 

民法

(不法原因給付)

第七百八条 不法な原因のために給付をした者は、その給付したものの返還を請求することができない。ただし、不法な原因が受益者についてのみ存したときは、この限りでない。

 

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