大滝しおんの晴筆雨筆

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購入した新築建物に重大な瑕疵があるため工事施工者等に損害賠償請求する際の損益相殺の可否(最判平成22年6月17日 民集 第64巻4号1197頁)

今日のテーマは、「購入した新築建物に重大な瑕疵があるため工事施工者等に損害賠償請求する際の損益相殺の可否」です。

AさんはB社が施工した新築建物を購入しました。ところが、この建物には、重大な瑕疵があり、補修工事などで補えるものではなく、建て替えが必要なほどのものでした。

どの程度の瑕疵かというと、構造耐力上の安全性にかかわるものであるため建物が倒壊する具体的なおそれがあるほどのものだったわけです。

そこで、AさんはB社に対して不法行為に基づく損害賠償を求め、建て替え費用相当額を請求しました。

これに対して、B社はAさんが購入後本件建物に居住していたという利益や本件建物を建て替えて耐用年数の伸長した新築建物を取得するという利益が得られているのだからその分は、建て替えに要する費用相当額の損害額から控除すべきと主張しました。

B社の損益相殺の主張は認められるのでしょうか?

 

最高裁は、Aさんの上記の利益は損益相殺の対象にならないと判断しています。

 

なぜなら、構造耐力上の安全性にかかわるものであるため建物が倒壊する具体的なおそれがあるほどのものであれば、「建物自体が社会経済的な価値を有しないと評価すべき」で、その建物に住んでいた利益もないと判断できるからです(最判平成22年6月17日 民集 第64巻4号1197頁)。

 

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